2016年5月20日金曜日

インベスターZを一気読み!その感想などなど

インベスターZという漫画が面白いという噂は色々なところから聞いていたものの、
手を出していたなかったので、この休みのときに11巻ほど一気にまとめ読みしました。


全体的な感想から言うと、投機と投資の世界を今までにない切り口を漫画にしているとても面白い作品でした。漫画的なストーリーと投資の世界の面白さのバランスをとっている良作な気がします。

内容も多岐に渡っていて、株式(デイトレード、バリュー投資、グロース投資)や為替など金融商品の基本や歴史も学べる上に、お金の歴史やビジネスの基本(戦略やマーケティングなど)も押さえているため話題が豊富で飽きさせません。

特に読んでいて共感するのはトレード中のマインドの部分で、損切り、利食い時の心理的描写はトレーダーにとっては分かる分かるwといったモノが多く、これも漫画ならではの絵による伝達のしやすさだからこそ伝わる内容なんではないでしょうか。読んでいて初心に戻らさせてもらえます。

読んでいて思ったことを要点だけ書くと以下のとおり。

◎株式投資パート
①投資戦略の時間軸がごちゃごちゃしている
漫画で紹介されている戦略の基本はバリュー投資、グロース投資が中心なのだけれど、利食い、損切りルールが20:10など、どちらかというとデイやスイングトレードのルールになっています。
結構ここらへんはごちゃごちゃになっていますね。
多分これは漫画としてのストーリーのダイナミクスと、株式投資の中長期スタンスの重要性を書きたいという想いが齟齬を起こしているんじゃないかなぁと。

②インカムゲインや財務分析に関する重要性がだいぶ省略されてる
まぁこれも①と同じでしょうがないことだと思うけれど、投資の視点は中長期スタンスにもかかわらず、トレードの内容はキャピタルゲインや質的情報の内容が中心で、インカムゲインや財務に関する話題が結構少ないですね。まぁ漫画的に書こうとするとつまらなくなるし(笑)

③複利効果に関する説明はあったほうが。。。
この漫画は投資初心者向けなのに複利効果の重要性についてはあまり説明していないのはもったいないなぁと。特にバフェット推しのこのマンガでは。。。。。

④インデックスvsアクティブの説明が良い
漫画全体はアクティブ運用なのだけれど、途中でインデックス投資の方が基本的にパフォーマンスが良いということをきちんと述べているのは好感が持てる。


◎トレードにおけるマインドパート
最初に述べたとおり、このパートは面白いですね。トレードしている人間に常に付きまとう葛藤を面白く描いています。論理的根拠がプロスペクト理論ぐらいで、それ以外はどっちかというと経験則が多いのはちょっと物足りなさあり。

◎ベンチャー投資パート
結構このパートは文句無しに近いかも。巻末インタビューで磯崎先生を選んでくるのもオツな気がします(笑)

◎お金や投資の歴史パート
この部分は実在する企業と漫画での架空の存在が入り乱れたりするのだけれど、歴史について知らないことも結構あったりするので読んでいて勉強になりました。

◎就活パート
僕も就活する時に思っていたことが多く書いてあって共感します。おねえちゃんが選んだ会社がDMMだったのもツボすぎておぉと感嘆しました。この会社ってあまり情報は出ないけれどとても面白くて素晴らしい会社だと思います。(エロの部分で上場基準を満たせないけれど上場したら株を買いたい会社ですw)

◎Fxパート
もうこのパートは酷すぎたw。
最初の為替の概要や経済指標の重要性やレバレッジやロストカットに関するリスク、マインド部分は分かりやすくて正しいと思う。

けれどファンダとテクニカルでテクニカルの方が重要だと言ってしまったり、1日に100回近くトレードするスキャルピングの話にもかかわらずブルやベアの話を持ってきたりして、正直お口あんぐり。

あと、投資は個人や市場全体との戦いなのに、2人の対決ストーリーにしてしまうのは、ちょっと別の軸が入ってしまうので純粋な投資漫画としては面白さが失われてしまうような。(漫画的に面白くなるのは理解できるけど。)

まぁ3番勝負の1本ということもあるし、11巻でこのパートは終わったので、次巻以降に期待してます。

途中以降はあーだーこーだ言ってしまったけれど、投資を学ぶ上で下手な書籍を読むよりはこの漫画読んだほうが面白くバランス良く投資の世界を学べる良い1冊になるんじゃないでしょうか。

名作です!

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